【横浜高島屋】仙太郎の「花びら餅」と「冬の水羊羹」を堪能!行列必至の京都の味を実食レポ

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京都が育んだ「真面目な和菓子」。横浜髙島屋で不動の人気を誇る仙太郎

横浜駅西口のシンボル、横浜髙島屋の地下食品街。名だたる老舗や最新スイーツ店がひしめき合うこの激戦区で、常に信じられないほどの長い行列ができている、ある和菓子店があります。京都に本店を構える名店中の名店、「仙太郎(せんたろう)」です。どうも、仕事帰りについつい「甘いもの」という誘惑に抗えず、行列の最後尾に並んでしまう30代男子、なおやんです。

仙太郎の店構え

「国産」「無添加」、そして何より「素材本来の力強さ」を大切にする仙太郎の姿勢は、本物志向の地元マダムから、センスの良い手土産を探しているビジネスマンまで、幅広い層から圧倒的な支持を受けています。仙太郎が掲げる「身土不二(しんどふじ)」の精神、つまり「人の身体とその土地は切り離せないものである」という考え方が、あのお菓子の力強さに繋がっているんでしょうね。

行列に並ぶ時間は、まさに「自分を整える時間」。ショーケースに鎮座する、どこか野暮ったくも温かみのある、それでいて重厚感溢れるお菓子たちを眺めながら、「今日はどれを連れて帰ろうか……」と真剣に悩む。定番の「ご存じ最中」は、はち切れんばかりに詰められた餡子のボリュームが圧巻ですし、青じその香りがふわりと抜ける「おはぎ(ぼた餅)」は、一度食べたら忘れられない中毒性があります。そんな贅沢な悩みを抱えながら、ようやく僕の順番がやってきました。

新春を寿ぐ、格式高き「花びら餅」の雅

年明けの穏やかな休日の午後。少しだけ背筋を伸ばして、自ら抹茶を点てて楽しみたい……そんな時に完璧な相棒となるのが、この時期限定の特別な一品「花びら餅」です。

花びら餅とお抹茶

白く、驚くほど柔らかに仕上げられた求肥(ぎゅうひ)のドレスを纏い、そこからほんのりと透けて見えるピンク色が、なんとも雅やか。このお菓子、実は平安時代の宮中行事「歯固めの儀」にまで遡る、非常に格式高いルーツを持っているんですよね。長寿を願って、猪肉や押し鮎といった硬いものを食べる習わしが、時代を経てこの優美なお菓子へと形を変えたのだとか。真ん中に凛と挟まれた棒状の「ごぼう」は、その昔の「押し鮎」に見立てた名残。歴史の重み、そして「ハレの日」の特別感を感じずにはいられません。

仙太郎の花びら餅は、このごぼうの野生味溢れる土の香りと、上品な白味噌餡の甘じょっぱさが、脳が驚くほどの絶妙なバランスで共鳴し合っています。「お菓子の中に、あのごぼう?」と最初は誰もが戸惑いますが、一口食べればその必然性に納得するはず。甘く煮込まれたごぼうのシャキッとした食感と、求肥のモチトロ感。さらに、中には薄い羊羹が忍ばされているなど、味わいに奥行きを持たせる細かい職人技も流石の一言です。一足早い春の訪れを口いっぱいに感じる、まさに至福の瞬間っすな。

冬なのに、冬だからこその「水羊羹」という贅沢

そしてもう一品、冬の仙太郎を訪れたなら絶対に外せない「裏の主役」が、この「冬の水羊羹」です。和菓子好きの間では、「仙太郎の冬といえばこれ」と言われるほどの名品なんですよ。

水羊羹

水羊羹といえば、一般的には夏の涼菓というイメージですよね。でも、福井県など北陸の一部地域では「暖房の効いた部屋でこたつに入り、ひんやり冷たい水羊羹を家族で突っつく」のが冬の定番文化。仙太郎はその豊かな文化を大切にし、冬限定の水羊羹として提供し続けています。最近ではこの「背徳的な旨さ」が全国的に認知され始め、冬の行列の目当てになっている人も多いようです。

仙太郎の水羊羹は、瑞々しさがとにかく格別。スプーンを入れた瞬間の、プルンッとした弾力。そして口に含んだ瞬間に、体温でスッと解けていくような、儚くも鮮烈な滑らかさが特徴です。暖房で乾燥しきった身体に、このひんやりとした水分と、小豆のピュアで雑味のない甘みが五臓六腑に染み渡る感覚。……これ、正直なところ夏に食べるよりも、生命の危機感(?)を感じる乾燥した冬の方が、圧倒的に美味しく、そして切なく感じるのは僕だけでしょうか(笑)。こたつでぬくぬくしながら、キンキンに冷えた最高の一品を味わう。これ以上の大人の冬の楽しみ、そうそうないですよ。

名門の矜持を感じる、日常の「小さなしあわせ」

仙太郎のお菓子の素晴らしいところは、その「ずっしりとした満足感」にもあります。決して一口サイズの上品すぎるものではなく、「お菓子を食べた!」という実感をしっかり与えてくれる大きさ。それでいて、素材が良いからか後味は驚くほど軽やか。和三盆のような上品な甘さも良いですが、仙太郎の「小豆そのものの濃い味」は、心にズシンと響く強さがあります。

今回は花びら餅と水羊羹にしましたが、もしショーケースに残っていたら「五分搗き(ごぶづき)のおはぎ」もぜひ試してほしい。お米の粒感がしっかり残り、青じその爽やかさが餡子の甘さを引き立てる、まさに仙太郎にしか作れない唯一無二の味です。季節によっては「桜もち」や「栗蒸し羊羹」など、四季をこれ以上ないほど雄弁に語るお菓子たちが、僕たちの日常を一瞬で特別なものに変えてくれます。

まとめ:並ぶ価値は、その「一匙の感動」に集約される

おまけで付けていただいた、寒紅梅を模した可愛らしい干菓子。そんな些細な、でも温かな心遣いの一つ一つに、京都の老舗としての誇りが詰まっています。いつ訪れても混雑を極める仙太郎ですが、その行列の先に待っているのは、単なる嗜好品ではなく、日本の四季への深い敬意と、職人の誠実な仕事そのものなんです。

デパ地下の活気ある喧騒の中で手に入れる、静かな日本の豊かさ。あなたも横浜髙島屋へお越しの際は、少しだけ時間に余裕を持って、仙太郎の暖簾をくぐってみませんか?
その一口が、きっとあなたの冬を、少しだけ特別で温かなものにしてくれるはずですよ。僕は次は、自分へのご褒美を2倍にして、おはぎと最中、それに季節限定の生菓子もフルセットで買い込もうと固く誓っています。それじゃ、また次の日本の心に触れるグルメレポでお会いしましょう!

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